
旅行先を車で回りたいものの、自分では運転したくない場合、レンタカーを運転手やドライバー付きで借りられないか気になる方もいるでしょう。長距離運転に不安がある場合や、免許を持っていない人だけで旅行する場合にも便利そうに感じます。
ただし、一般的なレンタカーと、運転手が付いたハイヤーや観光タクシーではサービスの仕組みが異なります。また、飲酒後などに利用する運転代行も、旅行中の観光を任せるドライバーサービスとは目的が違います。
この記事では、レンタカー会社に運転手を頼めるのか、自分でドライバーを手配する方法はあるのか、運転代行やハイヤーとは何が違うのかまで分かりやすく解説します。
- レンタカーを運転手付きで借りられるのか
- 家族や別手配のドライバーに運転してもらう方法
- 運転代行やハイヤーとの違い
- ドライバー付きサービスを選ぶときの注意点
この記事は2026年8月24日時点で確認できる国土交通省、警察庁・警視庁、レンタカー会社などの公式情報をもとにまとめています。契約方法や補償条件は会社によって異なります。
正確な情報は利用する会社の公式サイトや貸渡約款をご確認ください。サービスの契約内容について判断が難しい場合は、事業者や管轄の運輸支局など専門窓口への相談をおすすめします。
レンタカーは運転手付きで借りられる?
一般的なレンタカー会社では、車を貸すサービスと運転手をセットにして提供することはできないとされています。ただし、家族や友人などを運転者として必要な手続きをしたり、レンタカー会社を介さずに借りる側が別の運転者を手配したりするケースとは分けて考える必要があります。
まずは、レンタカー会社へ運転手を頼める範囲と、自分で別の運転者を手配する場合の違いから確認しましょう。
運転手をセットで頼めない理由

一般的なレンタカー会社に、レンタカーと運転手をセットにして用意してもらうことはできないと考えておきましょう。
国土交通省中部運輸局の現行Q&Aでは、レンタカーの貸渡車両と一緒に、事業者自らが運転者を提供することや、運転者に関する情報提供、運転者の紹介・あっせんなどはできないと案内されています。
レンタカーは基本的に車両を借りるサービスであり、事業者の運転手が利用者を目的地まで運ぶタクシーやハイヤーとは仕組みが異なります。
レンタカー会社で車を借りることと、運転手による運送サービスを利用することは別です。最初から自分では運転しない予定なら、レンタカーだけに絞らず、観光タクシーやハイヤーも比較すると選びやすくなります。
なお、国土交通省の関東運輸局が公表している資料では、レンタカーの借受人と実際の運転者が異なるケースについても説明されています。ただし、借受人はタクシーの乗客と同じ立場ではなく、事故が起きた場合の責任関係も異なるため注意が必要です。
(参照:国土交通省 関東運輸局 レンタカーの借受人への周知等について)
運転手付きサービスの注意点

インターネットで検索すると、運転手付きレンタカー、ドライバー付きレンタカーなどの名称でサービスが見つかることがあります。しかし、サービス名だけを見て通常のレンタカーだと判断しないことが大切です。
実際には、ハイヤーや貸切チャーターなどのサービスを分かりやすく伝えるために、ドライバー付きレンタカーに近い表現が使われている場合があります。
一方で、レンタカーと運転手を実質的に一体で提供しているようなサービスには注意が必要です。国土交通省の運輸支局でも、運転手付きレンタカーについて利用者向けの注意喚起を行っています。
運転手付きレンタカーという名前だけで、利用して問題ないサービスか判断しないようにしましょう。車だけを借りる契約なのか、ハイヤーなど車両と運転サービスを利用する契約なのかを確認することが重要です。
予約ページでは、運営会社名、サービスの種類、料金に含まれる内容、事故時の補償なども確認してください。説明を読んでも契約の仕組みが分からない場合は、予約前に事業者へ問い合わせる方が安心です。
家族や友人に運転を頼む方法

レンタカーは、予約した本人しか運転できないとは限りません。レンタカー会社の決められた手続きを済ませれば、家族や友人など複数人で交代して運転できる場合があります。
例えばトヨタレンタカーでは、契約者以外の人も運転できると案内しています。原則として運転する人全員が店頭へ行き、運転免許証を提示します。出発時に来店できない場合についても、店頭で代理の人が運転者の運転免許証を提示する方法が案内されています。
このため、家族旅行で夫婦が交代して運転する場合や、友人グループの中に運転できる人がいる場合は、有料のドライバーを別に手配しなくても対応しやすいでしょう。
運転する可能性がある人は、出発前にレンタカー会社へ伝えて必要な手続きを済ませることが大切です。貸渡時に必要な申告・手続きをしていない人が運転すると、貸渡約款や事故時の補償条件に関係する場合があります。具体的な手続きは利用するレンタカー会社で確認してください。
旅行の途中で急に運転者を変更したくなった場合も、自己判断で交代するのではなく、先にレンタカー会社へ確認しましょう。
ドライバー派遣を別に手配する方法

レンタカー会社から運転手の紹介やあっせんを受けることはできません。一方、借受人自身がレンタカー会社を介さず、別の運転者を手配するケースはあります。ただし、すべてのドライバーサービスが旅行やレンタカーの運転に対応しているわけではありません。
国土交通省の関東運輸局が公表している資料では、レンタカーの借受人と運転者が同一であることは求められておらず、第三者が運転者を仲介する行為も、それだけで直ちに道路運送法に抵触するものではないと説明されています。
ただし、レンタカーの借受人はタクシーの乗客とは立場が異なります。事故が起きたときの責任関係にも違いがあるため、利用するドライバーサービスがレンタカーの運転に対応しているか、保険や補償がどうなるかを必ず確認してください。
(参照:国土交通省 関東運輸局 レンタカーの借受人への周知等について)
別のドライバーサービスを利用するときは、レンタカーの運転に対応しているか、旅行やスポット利用が可能か、事故時の補償がどうなるかを事前に確認しましょう。
また、ドライバー側にレンタカーの予約までまとめて任せる場合は注意が必要です。誰がレンタカー会社と契約するのか、車両と運転サービスがどのような形で提供されるのかを確認してください。
ドライバー派遣は旅行に使える?

ドライバー派遣という名前のサービスがあっても、すべての会社が旅行中のレンタカー運転に対応しているわけではありません。
例えば国際ハイヤーのドライバー派遣は、利用者が所有する社用車などの運行管理を行う年間契約のサービスです。数日のスポット利用には対応しておらず、車両とドライバーを一緒に必要とする場合はハイヤーサービスが案内されています。
一方、車両とドライバーを一緒に必要とする場合には、ハイヤーという別のサービスがあります。
このように、ドライバー派遣には法人向け、役員車向け、長期契約向けなど、さまざまなサービスがあります。そのため、検索結果でドライバー派遣会社を見つけても、すぐに旅行用として予約できるとは限りません。
旅行目的で利用したい場合は、利用条件を確認してから申し込みましょう。
旅行目的で利用できるか、レンタカーでも対応できるか、1日だけのスポット利用ができるかを確認してください。車も運転手も必要な場合は、観光タクシーや観光ハイヤーの方が手配しやすいこともあります。
特に朝から夕方まで観光地を回りたい場合は、レンタカーとドライバーを別々に契約した場合の総額と、観光ハイヤーなどの料金を比較してから決めるとよいでしょう。
運転代行は旅行でも利用できる?

運転代行は旅行中にも利用を検討できますが、観光地を1日回ってもらうためのドライバーサービスとは役割が異なります。
警視庁では、自動車運転代行業について、主として夜間に飲酒した利用者に代わって利用者の車を運転し、利用者や同行者を乗せ、通常は随伴車が付くサービスとして説明しています。
また、自動車運転代行業を営むには公安委員会の認定が必要です。利用者の車である代行運転自動車を運転する人には、普通第二種運転免許が必要と案内されています。
例えば、旅行先の飲食店でお酒を飲み、車を宿泊先まで戻したい場合には運転代行が候補になります。一方、朝ホテルへ迎えに来てもらい、夕方まで複数の観光スポットを回るような使い方なら、観光タクシーやハイヤーなどを検討した方が分かりやすいでしょう。
| サービス | 主な目的 | 車 | 旅行での利用例 |
|---|---|---|---|
| 運転代行 | 飲酒後などの一時的な運転 | 利用者側の車 | 飲食店からホテルまで戻る |
| ドライバー派遣 | 車両の運転や管理 | 利用者側の車など | 対応会社なら長時間運転など |
| 観光タクシー | 観光地を回る | タクシー会社の車 | 半日や1日の観光 |
| ハイヤー | 予約した時間の貸切移動 | ハイヤー会社の車 | 空港送迎や観光 |
すでにレンタカーを借りていて運転代行を利用したい場合は、運転代行会社だけでなくレンタカー会社にも利用できるか確認することをおすすめします。誰が運転できるか、事故時の補償がどうなるかは貸渡約款やサービスの条件によって異なるためです。
ハイヤーや観光タクシーとの違い

旅行中に最初から自分で運転する予定がないなら、レンタカーよりハイヤーや観光タクシーの方が利用方法が分かりやすい場合があります。
ドライバー派遣では利用者側が用意した車を運転するサービスもありますが、ハイヤーなら事業者側の車両とドライバーを利用できます。
また、観光タクシーでは地域の観光スポットを回るコースや、時間制・定額制などの料金が設定されている場合があります。観光案内に対応するドライバーがいる地域もあります。
| 比較項目 | レンタカー | 観光タクシー | ハイヤー |
|---|---|---|---|
| 運転 | 利用者側 | 事業者の運転手 | 事業者の運転手 |
| 車両 | 借りたレンタカー | タクシー会社の車 | ハイヤー会社の車 |
| 観光案内 | 自分で調べる | 対応する場合がある | プランによって対応 |
| 向いている人 | 同行者が運転できる人 | 観光も任せたい人 | 貸切移動を重視する人 |
大人数ならジャンボタクシーや貸切バスが候補になる場合もあります。人数、荷物、訪問場所、利用時間を整理したうえで比較すると、自分たちに合った方法を選びやすくなります。
車で旅行したいからといって、必ずレンタカーを選ぶ必要はありません。自分で運転しないことが最優先なら、最初から車と運転手が用意されるサービスも含めて比較すると手続きが分かりやすくなります。
ドライバー付きレンタカーの選び方
インターネットでドライバー付きレンタカーを探すと、通常のレンタカー、ドライバー派遣、ハイヤー、貸切チャーターなど、異なるサービスが似た名称で表示される場合があります。
料金の安さだけで決めるのではなく、車両や契約の仕組み、運転者、事故時の補償まで確認することが大切です。
白ナンバーと緑ナンバーの違い

運転手付きサービスを探していると、白ナンバーや緑ナンバーという言葉を目にすることがあります。ただし、白ナンバーだから違法、緑ナンバーだから必ず問題ないと、ナンバーの色だけで判断するのは避けましょう。
一般的なレンタカーは自家用自動車として貸し出されるため、白地のナンバープレートが基本です。通常のレンタカーを、貸渡約款などに従って認められた運転者が運転すること自体に問題があるわけではありません。
一方、タクシーやハイヤーなど、許可を受けた事業者が有償で利用者を運ぶ一般的な事業用車両では、緑色のナンバープレートが使われます。
国土交通省では、必要な許可を受けずに自家用車を使って料金を受け取り、人を運ぶ、いわゆる白タクについて注意を呼びかけています。
(参照:国土交通省 白タク・違法ハイヤーの撲滅に向けた啓発)
通常の白ナンバーのレンタカーと、無許可で料金を受け取って人を運ぶ白タクは同じものではありません。ナンバーだけではなく、どの会社と、どのようなサービスを契約するのかを確認してください。
特に運転手付きのマイクロバスについては、国土交通省の運輸支局が注意喚起を行っています。団体旅行などで車と運転手を一緒に必要とする場合は、正規の貸切バス事業者などを検討しましょう。
運転手の料金と追加費用を確認

運転手やドライバーが付いたサービスの料金は全国一律ではありません。地域、利用時間、車種、走行距離、サービス内容などによって変わります。
レンタカーとドライバーを別々に手配する場合は、レンタカー代とドライバー料金の両方を合計して比較することが大切です。さらに、高速道路料金や駐車料金などが加わる場合もあります。
| 費用 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 車両料金 | レンタカー代やハイヤーの基本料金 |
| ドライバー料金 | 時間制や1日単位などの料金体系 |
| 高速道路料金 | 基本料金に含まれるか別払いか |
| 駐車料金 | 観光地やホテルでの駐車費用 |
| 燃料代 | 料金込みか利用者負担か |
| 延長料金 | 予定時間を超えた場合の料金 |
| 早朝・深夜料金 | 利用する時間帯による追加料金 |
| 遠方利用の費用 | 回送費や宿泊費などの有無 |
ハイヤーについても、利用時間や距離、車種などによって料金が変わります。旅行の日程や人数が決まったら、利用予定の事業者へ見積もりを依頼して比較すると分かりやすいでしょう。
料金を比べるときは、表示されている基本料金だけではなく、旅行終了までに必要になる総額で考えましょう。人数が多い場合は、1人あたりの負担額まで計算すると比較しやすくなります。
料金やサービス内容は変更される可能性があります。具体的な金額は予約時点の目安として考え、利用予定日の最新料金を各事業者の公式サイトや見積もりで確認してください。
予約前に確認したい契約内容

ドライバー付きの車を利用するときは、料金だけでなく、誰と何の契約をするのかを予約前に確認することが重要です。
レンタカーとドライバーを別々に手配するなら、レンタカー会社の貸渡約款に加えて、ドライバーサービス側の利用条件や事故時の対応も確認しましょう。
特に確認しておきたいのは、運転者の申告・手続き、保険・補償、キャンセル、利用時間の延長、事故や故障が起きた場合の連絡先です。
運転する人についてレンタカー会社で必要な手続きが済んでいるか、事故時にどの補償が使えるのかは必ず確認しましょう。分からない部分があれば、予約前にレンタカー会社とドライバーサービスの両方へ問い合わせると安心です。
なお、国土交通省は2026年6月30日、学校教育などにおける自動車移動の安全対策を公表しました。一般の旅行者を直接対象としたルールではありませんが、レンタカーについて、運転する可能性がある人の事前連絡を含む貸渡約款の遵守、貸渡証の受領、車両を貸し出す事業者に運転者を手配してもらわないことなどが留意事項として整理されています。
(参照:国土交通省 学校教育等に関する移動の安全確保のための対策)
一般の旅行でも、途中で運転する人が変わる場合などは自己判断で済ませず、レンタカー会社へ確認することをおすすめします。
料金が極端に安い一方で、運営会社、契約内容、車両や運転者の手配方法が分からないサービスには注意してください。正確な情報は事業者の公式サイトや契約内容をご確認ください。判断が難しい場合は、管轄の運輸支局など専門窓口への相談をおすすめします。
レンタカーを運転手・ドライバー付きで使うまとめ

- 一般的なレンタカー会社では車と運転手をセットで頼めない
- レンタカー会社による運転者の紹介やあっせんもできない
- レンタカーは基本的に車両を借りるサービス
- 運転手付きというサービス名だけで内容を判断しない
- 家族や友人が運転する場合は必要な手続きを済ませる
- 運転する可能性がある人は事前にレンタカー会社へ伝える
- 借受人自身が別の運転者を手配するケースもある
- ドライバー派遣は旅行やレンタカーに対応しない会社もある
- レンタカーとドライバーの契約内容をそれぞれ確認する
- 運転代行は主に飲酒後など一時的な運転に向いている
- レンタカーで運転代行を使う場合は双方の会社へ確認する
- 1日観光なら観光タクシーも比較する
- 車と運転手をまとめて頼むならハイヤーも候補になる
- 白ナンバーだけを理由にサービスの良し悪しを判断しない
- 料金は車両代だけでなく高速代や駐車代なども確認する





