温泉の温度について調べると、「何度から温泉なの?」「25℃より低いと温泉ではない?」「実際に入るなら何度くらいがいい?」と、いくつか違う疑問が出てきます。
結論からいうと、温泉法では温泉源から採取されるときの温度が25℃以上なら、温度の条件だけで温泉に該当します。ただし、25℃未満でも決められた成分を一定量以上含んでいれば温泉です。
温泉の温度は3つを分けると分かりやすい
- 25℃以上は温泉法上の温度条件
- 34℃以上42℃未満の「温泉」は泉温分類の名称
- 実際に入る浴槽の温度は源泉温度と同じとは限らない
この記事で分かること
- 温泉は何度から温泉になるのか
- 冷鉱泉・低温泉・温泉・高温泉の違い
- 源泉温度と浴槽温度が違う理由
- 温泉に入るときの温度と安全上の注意点
温泉の温度は何度から?基準と分類

まずは温泉法上の基準と、源泉の温度による分類を確認します。「25℃」「34℃」「42℃」はそれぞれ意味が違うため、分けて理解することがポイントです。
温泉は25℃以上がひとつの基準
日本では、温泉について「温泉法」で定義されています。
環境省によると、地中から湧き出す温水・鉱水などが、温泉法で定める温度または物質の条件を満たす場合に温泉に該当します。
温度については、温泉源から採取されるときに25℃以上であることがひとつの基準です。
25℃は浴槽の適温を示す数字ではありません。
温泉法でいう25℃は、温泉源から採取されるときの温度に関する基準です。
「温泉は何度から?」という疑問では、この法律上の基準と、実際に人が入浴するときの温度を分けて考える必要があります。
25℃未満でも温泉になる
源泉温度が25℃未満だからといって、温泉ではないとは限りません。
温泉法では温度だけでなく、溶存物質や遊離二酸化炭素、総硫黄、メタけい酸など、定められた物質のうちいずれかを基準以上含む場合も温泉に該当します。
25℃以上なら温度の条件で温泉になり、25℃未満でも成分の条件を満たせば温泉になると覚えると分かりやすいでしょう。
温泉の温度は4種類に分類される
源泉の温度は、環境省の「鉱泉分析法指針」で4つに分類されています。
| 分類 | 泉温 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷鉱泉 | 25℃未満 | 成分条件を満たせば温泉になり得る |
| 低温泉 | 25℃以上34℃未満 | 泉温による分類のひとつ |
| 温泉 | 34℃以上42℃未満 | 泉温分類上の「温泉」 |
| 高温泉 | 42℃以上 | 源泉の泉温による分類 |
温泉法上の「温泉」と、泉温分類の「温泉」は意味が違います。
温泉法では25℃未満でも成分条件を満たせば温泉になります。一方、泉温による分類では34℃以上42℃未満を「温泉」という区分名で表しています。
検索すると25℃と34℃の両方が出てくるのは、それぞれ基準の目的が違うためです。
源泉温度と浴槽温度は違う

源泉の温度が、そのまま浴槽の温度になるとは限りません。
源泉側では高い温度でも、実際に宿泊客が入る浴槽では温度が調整されている場合があります。反対に、源泉温度が低ければ、入浴に利用できるよう加温されることもあります。
温度を見るときの流れ
源泉の温度 → 必要に応じた温度調整 → 実際に入浴する場所の温度
温泉施設では、源泉だけでなく、温泉を公共の浴用や飲用に供する場所での温度も掲示事項になっています。
そのため、源泉温度だけを見て「この温泉は熱い」「この温泉はぬるい」と判断しない方がよいでしょう。
加水や加温で調整されることもある
温泉の利用方法は施設によって異なり、加水や加温が行われている場合があります。
温泉法に基づく掲示では、温泉に水を加えて利用する場合は加水している旨と理由、加温する場合も加温している旨と理由を表示することになっています。
循環させて利用している場合も、その旨や理由が掲示対象です。
温泉宿で確認するときのポイント
源泉温度だけでなく、実際に利用する場所の温度や、加水・加温・循環の有無も確認すると、浴槽でどのように温泉が利用されているのか分かりやすくなります。
温泉は何度で入る?適温と安全の考え方

ここからは法律上の温度ではなく、人が実際に入浴するときの温度を見ていきます。年齢や体調などで注意点が変わるため、すべての人に共通するひとつの数字で判断しないことが大切です。
温泉の適温は一律ではない
温泉の適温を調べると38℃や40℃など、さまざまな数字を目にします。しかし、すべての人に共通する唯一の温泉の適温が決められているわけではありません。
年齢や体調のほか、入浴時間なども考えて無理なく入浴する必要があります。
例えば厚生労働省の健康情報サイトでは、快眠との関係について、40℃の湯船に10~15分ほど入る例が紹介されています。
(参照:健康日本21アクション支援システム「快眠と生活習慣」)
これは快眠を目的とした入浴の例であり、温泉を利用するすべての人に共通する適温を示した数字ではありません。
熱い湯を無理に我慢して入る必要はありません。体調に不安がある場合や持病がある場合は、施設の注意事項を確認し、必要に応じて医師などの専門家へ相談してください。
42℃以上の高温浴は注意が必要
温泉の記事では「42℃以上」という数字が異なる意味で使われるため、特に注意が必要です。
泉温分類では、源泉温度が42℃以上なら高温泉に分類されます。
一方、環境省が示す温泉の入浴上の注意では、高齢者、高血圧症や心臓病の人、脳卒中を経験した人は42℃以上の高温浴を避けるとされています。
「42℃以上なら高温泉」という泉温分類と、「42℃以上のお湯に入浴する」という行為は別の話として理解しておきましょう。
高齢者は湯温と入浴時間に注意
高齢者の場合は、温泉旅行でも入浴中の事故防止を意識しておきたいところです。
消費者庁は高齢者の入浴事故を防ぐポイントとして、湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安としています。
この数字は高齢者の事故防止を目的とした目安です。すべての年代に共通する温泉の適温として扱うものではありません。
また、消費者庁は入浴前に脱衣所や浴室を暖めることや、浴槽から急に立ち上がらないことなども注意点として挙げています。
体調が悪いときは無理に入浴しないことも大切です。
高齢者や持病がある人は施設の注意事項を確認し、必要に応じて主治医などへ相談してください。
温泉宿で実際の温度を確認する方法

宿泊先の温泉が何度なのか知りたい場合は、施設内にある温泉成分等の掲示を確認してみましょう。
温泉を公共の浴用や飲用に利用する施設では、温泉に関する情報を見やすい場所へ掲示することになっています。
温度について確認したいときは、次の項目を見ると分かりやすくなります。
- 源泉の温度
- 実際に利用する場所での温度
- 加水の有無と理由
- 加温の有無と理由
- 循環利用の有無と理由
掲示場所は施設によって異なりますが、脱衣室などに掲示されている場合があります。見つけにくいときは施設スタッフへ確認するとよいでしょう。
「源泉温度が高いほど良い」と考えるのではなく、実際にどのような状態で浴槽に使われているのかまで確認すると、温泉の特徴を理解しやすくなります。
ぬるい温泉でも温泉と呼べる?
はい。源泉が25℃未満でも温泉に該当する場合があります。
温泉法では、25℃未満でも定められた成分条件を満たせば温泉です。泉温分類では25℃未満を冷鉱泉、25℃以上34℃未満を低温泉と呼びます。
源泉温度が低い場合でも、施設では加温して入浴に利用されることがあります。
そのため、「源泉が冷たいから温泉ではない」と温度だけで判断することはできません。
源泉が42℃以上なら浴槽も熱い?
いいえ。源泉が42℃以上でも、浴槽まで42℃以上とは限りません。
42℃以上は泉温分類で高温泉となる基準ですが、施設では実際に利用する場所の温度が別に掲示されます。
高温泉だから必ず熱い浴槽、低温泉だから必ずぬるい浴槽と考えず、入浴するときは施設の掲示や案内で実際の温度を確認してください。
まとめ|温泉の温度は分けて考える
温泉の温度については、ひとつの数字だけで判断せず、法律上の基準、源泉の泉温分類、実際の浴槽温度、入浴時の安全性を分けて考えると理解しやすくなります。
- 温泉法では源泉採取時25℃以上が温度条件のひとつ
- 25℃未満でも成分条件を満たせば温泉になる
- 25℃未満は泉温分類では冷鉱泉
- 25℃以上34℃未満は低温泉
- 34℃以上42℃未満は泉温分類上の温泉
- 42℃以上は高温泉
- 温泉法上の温泉と泉温分類上の温泉は意味が異なる
- 源泉温度と実際に利用する場所の温度は同じとは限らない
- 施設によって加水して利用する場合がある
- 施設によって加温して利用する場合がある
- 加水や加温などの利用状況は掲示で確認できる
- すべての人に共通する唯一の適温があるわけではない
- 高齢者や一部の持病がある人は高温浴に注意する
- 温泉宿では源泉と利用場所の両方の温度を確認する
- 温泉の温度は法律上の基準と入浴時の温度を分けて考える

