
レンタカーに傷を付けてしまったかもしれないとき、どの程度までが許容範囲なのか、擦った後で気づいた場合はどうすればよいのか不安になる方も多いでしょう。飛び石による傷や、傷に覚えがないケース、擦ったのに気づかなかった場合など、状況によって判断に迷いやすいものです。
また、傷を見逃してくれるのか知恵袋で調べたり、バンパー下の傷やホイールの傷なら問題ないのではと考えたりする方もいます。傷に気づかなかった場合の扱い、擦ったときの金額、擦った縁石の確認、傷がバレなかった場合に後から連絡が来るのかも気になるところです。
この記事では、レンタカーの傷の許容範囲から、擦った直後の対応、返却後に気づいた場合、覚えのない傷を指摘された場合、修理代・免責額・NOCまで分かりやすく解説します。
- レンタカーの傷の許容範囲と判断方法
- 擦った直後や後で気づいた場合の対応
- 覚えのない傷や返却後に請求された場合の確認方法
- 修理代・免責額・NOCの違い
この記事は2026年8月18日時点で確認できる公式情報をもとにしています。レンタカー会社や補償プランによって対応方法や負担額は異なります。実際に傷や事故が発生した場合は、利用中のレンタカー会社の案内や貸渡約款を確認してください。
レンタカーの傷の許容範囲と擦った後で気づいた時
レンタカーの傷について最初に知っておきたいのは、傷の大きさだけを見て利用者が許容範囲を決めないことです。全国レンタカー協会では、貸出時と返却時に傷の有無を確認し、事故が発生した場合には事故の大小にかかわらず警察とレンタカー事業者へ連絡するよう案内しています。(参照:全国レンタカー協会)
ここでは、小さな傷を見つけた場合から、実際に擦ったとき、後になって傷へ気づいた場合まで順番に確認していきます。
傷は小さくても自己判断しない

レンタカーに小さな擦り傷を見つけても、小さいから問題ないと自己判断しないことが大切です。
インターネット上では、数cm程度なら問題にならないといった情報を見かけることがあります。しかし、全国レンタカー協会や大手レンタカー会社の公式案内を確認しても、全国共通で何cm以下なら申告しなくてもよいという基準は示されていません。
傷が請求の対象になるかどうかは、傷の場所や深さ、修理の必要性、レンタカー会社の基準、契約している補償内容などによって異なります。
| 状況 | 避けたい判断 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| 小さな線傷を見つけた | 小さいから問題ないと決める | レンタカー会社へ確認する |
| 擦る音がした | 傷が見えないから大丈夫と決める | 安全な場所で確認して連絡する |
| 以前からある傷か分からない | 自分が付けた傷だと決めつける | 貸出時の記録や写真を確認する |
| 事故にあたる接触があった | 軽い接触だから届けなくてよいと考える | 警察とレンタカー会社へ連絡する |
傷の許容範囲を利用者が決めるのではなく、傷に気づいたらレンタカー会社へ確認することが基本です。
レンタカーを擦った直後にすること

レンタカーを壁や縁石などに擦った場合は、まず落ち着いて安全を確保しましょう。傷の大きさを確認することより、安全確保や必要な連絡を優先します。
事故や接触が起きたときは、次の順番で対応すると分かりやすいでしょう。
レンタカーを擦った直後の基本的な流れ
- 安全な場所に車を停める
- けが人がいないか確認する
- 相手の車や壁、縁石などの状態を確認する
- 事故現場や傷を写真で記録する
- 交通事故に該当する場合は警察へ連絡する
- レンタカー会社や事故受付窓口へ連絡する
- 会社から案内された方法に従う
ニッポンレンタカーでも、事故時には負傷者の救護、警察への連絡、事故受付センターへの連絡を行うよう案内しています。必要な手続きをしない場合、加入していた保険・補償やCDW、ECOが適用外になる場合があるとされています。(参照:ニッポンレンタカー公式サイト)
また、傷を目立たなくしようとしてタッチペンやコンパウンドなどを使うのは避けましょう。自分で修理せず、レンタカー会社へ傷の状態を伝えて判断してもらうことが大切です。
自損事故でも警察への連絡が必要?

壁やガードレール、縁石、駐車場の設備などに接触した場合も、レンタカー会社では事故手続きが必要になることがあります。相手のいない単独事故だから連絡不要とは判断せず、レンタカー会社へ連絡し、必要な警察への届出を行いましょう。
全国レンタカー協会では、事故の大小にかかわらず警察とレンタカー事業者へ連絡するよう案内しています。相手がいない自損事故だから警察への連絡は必要ないと自己判断しないようにしましょう。(参照:全国レンタカー協会)
道路交通法第72条でも、交通事故があった場合には車を停止して必要な措置を取り、事故の日時や場所、損壊した物などを警察へ報告することが定められています。(参照:e-Gov法令検索「道路交通法」)
警察への届出を行っていないことが原因で、レンタカー会社の保険・補償が適用されない場合があります。接触が事故に該当するか判断に迷うときも、まずレンタカー会社へ連絡して状況を伝えましょう。
傷に覚えがない場合の確認方法

返却時に覚えのない傷を指摘された場合は、すぐに自分が付けた傷だと決めつける必要はありません。貸出時と返却時の車両状態を確認することが重要です。
国民生活センターでは、覚えのない傷の修理代を請求された場合、レンタカー会社が貸出時には傷がなく、返却時には傷があったと判断した状況について説明を求めるよう案内しています。自分で撮影した写真などがあれば、レンタカー会社へ提示して確認することも有効です。(参照:国民生活センター)
確認するときは、傷の写真だけでなく、次の点も見ておきましょう。
| 確認すること | 主な確認内容 |
|---|---|
| 貸出時の記録 | 同じ位置に傷が記録されていないか |
| 貸出時の写真 | 傷がすでに写っていないか |
| 傷が確認された時刻 | 返却時なのか返却後なのか |
| 傷の場所 | 自分の利用状況と一致するか |
| 請求内容 | 修理代・免責額・NOCなどの内訳 |
写真には撮影日時が残っている場合もあるため、傷がいつからあったのかを確認する材料になります。
返却後に傷を指摘されたらどうする?

レンタカーを返却して自宅へ戻った後に、営業所から傷が見つかったと連絡を受けることもあります。返却後に傷を指摘された場合は、まずどのような傷が、いつ、どのように確認されたのかを確認しましょう。
国民生活センターも、返却後に覚えのない傷の修理代などを請求されたトラブルを紹介しており、利用前と返却時の車両確認や写真記録を勧めています。(参照:国民生活センター)
返却後に傷を指摘されたら、主に次の内容を確認します。
返却後に確認したいポイント
- 傷がある場所と状態が分かる写真
- 傷が発見された日時
- 貸出時には傷がなかったと判断した根拠
- 返却時にスタッフと車両確認を行ったか
- 修理が必要と判断された理由
- 修理代の内容や内訳
- NOCなど修理代以外の請求が含まれているか
全国レンタカー協会では、修理代を負担するケースについて、レンタカー会社の保険加入状況や契約条件によって異なると案内しています。(参照:全国レンタカー協会)
請求内容について説明を受けても納得できない場合は、契約書や貸渡約款、写真などを整理したうえでレンタカー会社へ再確認しましょう。
擦った傷に気づかなかった時の対応

運転中には気づかず、駐車後や返却直前になって新しい傷を見つける場合もあります。いつ付いた傷か分からなくても、気づいた時点でレンタカー会社へ連絡することが大切です。
まだ車を返却していない場合は、営業所や事故受付窓口へ連絡し、傷を見つけた時間や接触した可能性のある場所を伝えます。
すでに返却した後で擦った可能性に気づいた場合も、利用した営業所へ早めに相談するとよいでしょう。分からない部分を無理に推測せず、確認できる内容だけを正確に伝えます。
| 整理しておく内容 | 例 |
|---|---|
| 傷に気づいた時間 | 返却前、返却後、自宅へ戻った後など |
| 心当たりのある場所 | 駐車場、宿泊施設、狭い道路など |
| 音や振動 | 運転中に擦る音や衝撃を感じたか |
| 傷の位置 | バンパー、側面、ホイールなど |
| 写真 | 貸出時、旅行中、返却前に撮影したもの |
いつ付いた傷か分からないときは、分からないことを推測して説明するより、確認できる事実を整理して伝える方が分かりやすくなります。
傷を見逃してくれる?知恵袋の情報

知恵袋やSNSでは、小さな傷があったものの何も言われなかったといった体験談を見かけることがあります。しかし、他の利用者が請求されなかったことを、自分のレンタカーの判断基準にすることはできません。
レンタカー会社や車両、傷の状態、補償プランなどが違うためです。また、返却時にその場で指摘されなかったからといって、すべての傷が許容範囲という意味でもありません。
国民生活センターでは、レンタカー返却後に傷を指摘されるトラブルを防ぐため、利用前だけでなく返却時にも車両の状態を確認し、写真を残しておくことを勧めています。(参照:国民生活センター)
知恵袋やSNSにある見逃された体験談は、レンタカー会社の公式な許容基準ではありません。実際の判断は利用している会社の案内を確認しましょう。
傷がバレなかった時も連絡が必要?

返却時に傷を指摘されなかったとしても、自分で接触したことや新しい傷に気づいている場合は、バレるかどうかを基準に対応を決めるのは避けましょう。
事故にあたる接触があった場合、全国レンタカー協会では事故の大小にかかわらず警察とレンタカー会社へ連絡するよう案内しています。(参照:全国レンタカー協会)
また、必要な事故対応をしていない場合は、保険・補償が適用されず、修理代を負担する場合があります。全国レンタカー協会でも、警察やレンタカー会社への連絡をしていない場合などについて注意を促しています。(参照:全国レンタカー協会)
見つかるかどうかではなく、正しい手続きを行うことを優先しましょう。
レンタカーを擦った後で気づいた時の費用と補償
レンタカーを擦ったときは、修理代だけでなく、免責額やNOCが関係する場合があります。さらに、飛び石、タイヤ、ホイールなどは補償内容が異なるケースもあります。
免責補償に加入しているからすべて0円になるとは限らないため、契約している補償プランまで確認することが大切です。
飛び石による傷はどう対応する?

走行中の飛び石によってフロントガラスなどへ傷が付いた場合も、自分だけで不可抗力だから問題ないと判断しないようにしましょう。
飛び石による傷やひびを見つけたら、安全な場所に停車してレンタカー会社へ連絡することが大切です。
特にフロントガラスのひびが広がっている場合や、運転中の視界に影響する場所に傷がある場合は、走行を続ける前にレンタカー会社へ相談してください。
飛び石だから必ず無料になる、または必ず利用者負担になるとは限りません。補償の適用は契約内容や損傷状況によって異なります。
バンパー下の傷も申告が必要?

バンパーの下側は普段の目線では見えにくく、縁石や駐車場の車止めなどを擦っても気づきにくい場所です。
しかし、見えにくい場所だから申告しなくてもよいということではありません。接触したことが分かっている、擦る音がした、後から新しい傷を発見したといった場合は、レンタカー会社へ状況を伝えましょう。
外から見える傷が小さくても、利用者自身では修理が必要かどうか判断できないことがあります。
見つかるかではなく、接触した可能性があるかで考えると判断しやすくなります。
ホイールの傷は補償される?

縁石などでホイールを擦った場合は、契約している補償内容を確認する必要があります。通常の免責補償に加入していても、タイヤやホイール周辺のすべての費用が補償されるとは限りません。
ニッポンレンタカーでは、保険・補償の適用除外の例として、パンクやタイヤの損傷、ホイールキャップの紛失などを挙げています。補償コースによって条件は異なります。(参照:ニッポンレンタカー公式サイト)
一方、トヨタレンタカーの安心Wプランでは、免責額とNOCの免除に加え、損傷タイヤの修理代やホイールキャップ紛失の補償が案内されています。(参照:トヨタレンタカー公式サイト)
オリックスレンタカーのレンタカー安心パックでも、事故時のNOC免除や一定条件での損傷タイヤの修理代・タイヤ代に関するサービスがあります。(参照:オリックスレンタカー公式サイト)
タイヤ、ホイール、ホイールキャップの扱いはレンタカー会社やプランによって異なります。正確な情報は契約しているレンタカー会社の公式サイトや貸渡約款をご確認ください。
擦った場合の金額とNOCの違い

レンタカーを擦った場合に支払う可能性のある金額は、傷の修理代だけではありません。修理費、対物・車両の免責額、NOCなどを分けて考える必要があります。
| 費用 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 修理代 | 傷やへこみなどを修理する費用 | 傷の場所や修理内容 |
| 対物免責額 | 対物補償で利用者が負担する金額 | 免責補償への加入状況 |
| 車両免責額 | レンタカー車両の補償で利用者が負担する金額 | 車種と免責補償への加入状況 |
| NOC | 修理などで車を営業に使えない期間の営業補償の一部 | NOC免除プランへの加入状況 |
| その他の費用 | 搬送費などが発生する場合がある | 契約している会社の条件 |
NOCはノンオペレーションチャージの略で、事故や汚損などにより車両の修理・清掃が必要になった際に、営業補償の一部として設定される費用です。NOCは修理代や免責額とは別に扱われます。全国レンタカー協会も、保険免責額とNOCを分けて案内しています。(参照:全国レンタカー協会)
例えば、トヨタレンタカーでは、自走して予定店舗へ返却した場合のNOCを2万円、自走できず予定店舗へ返却できなかった場合を5万円としています。安心Wプランに加入した場合は、免責額とNOCが免除されると案内されています。(参照:トヨタレンタカー公式サイト)
オリックスレンタカーでも、通常のNOCは自走可能で予定営業店へ返却した場合2万円、それ以外は5万円と案内されています。免責補償制度へ加入していてもNOCは別途負担し、レンタカー安心パックに加入した場合は事故時のNOCが免除されます。(参照:オリックスレンタカー公式サイト)
タイムズカーレンタルでは車種クラスによってNOCが異なり、2026年8月18日時点では自走可能な場合が2万円~5万円、自走不能の場合が5万円~10万円と案内されています。(参照:タイムズカーレンタル公式サイト)
上記の金額は各社の公式サイトで確認できる例であり、すべてのレンタカー会社に共通する金額ではありません。車種や補償プラン、事故の状況によって負担額は変わるため、正確な金額は利用する会社へ確認してください。
擦った縁石にも傷がないか確認

縁石にレンタカーを擦った場合は、車だけを見るのではなく、接触した縁石や周囲の設備にも損傷がないか確認することが大切です。
車両側ではホイールだけでなく、タイヤ、バンパー、車体側面、車体下部なども確認しましょう。
見た目では小さな傷でも、異音や振動などがある場合は安全に関わる可能性があります。走行に不安があるときは無理に運転を続けず、レンタカー会社へ連絡して指示を受けてください。
壁や縁石、駐車場の設備などへの接触が交通事故に該当する場合は、警察への連絡も必要になります。判断に迷う場合はレンタカー会社へ状況を伝えましょう。
貸出前・返却前に撮っておきたい写真

レンタカーの傷をめぐるトラブルを防ぐためには、貸出前だけでなく返却前にも車の状態を写真で残しておくことが有効です。
国民生活センターでは、覚えのない傷の修理代を請求されるトラブルを防ぐため、利用前と返却時にレンタカー会社と車両状態を確認することや、返却時にも写真を撮っておくことを勧めています。(参照:国民生活センター)
| 撮影場所 | 確認するポイント |
|---|---|
| 車の前方 | フロントバンパーやライト周辺 |
| 車の後方 | リアバンパーやバックドア |
| 左右の側面 | ドアやフェンダーの傷 |
| ホイール | 縁石による擦り傷 |
| サイドミラー | 擦り傷や割れ |
| 既存の傷 | 傷の位置と大きさが分かる写真 |
貸出前にすでに傷がある場合は、写真を撮るだけでなく、レンタカー会社のスタッフにも確認してもらいましょう。チェックシートがある場合は、既存の傷を記録してもらいます。
返却前も同じような角度から撮影しておくと、借りたときと返したときの状態を比較しやすくなります。
出発前と返却前の両方で車を一周し、全体写真と傷が分かる近接写真を残しておくと確認しやすくなります。
傷は自己判断せず早めに連絡しよう
- レンタカーの傷に全国共通の許容サイズは確認できない
- 小さな傷でも利用者だけで許容範囲と判断しない
- 擦った直後は傷より先に周囲の安全を確認する
- 事故にあたる接触では警察とレンタカー会社へ連絡する
- 自損事故でも相手がいないから連絡不要とは判断しない
- 傷に後で気づいた場合も分かった時点で会社へ相談する
- 傷に覚えがない場合は貸出時と返却時の記録を確認する
- 返却後に傷を指摘されたら写真や請求内容を確認する
- 知恵袋の見逃された体験談を許容範囲の基準にしない
- 傷がバレなかったことを判断基準にしない
- 飛び石による傷も自己判断せず会社へ相談する
- バンパー下の傷も見えにくいからと放置しない
- タイヤやホイールは補償条件が異なる場合がある
- 修理代と免責額とNOCはそれぞれ意味が異なる
- 貸出前と返却前の両方で車の写真を残しておく
レンタカーの傷で最も大切なのは、傷が何cmあるかや見つかるかどうかではなく、気づいた時点で正しく対応することです。
また、免責補償へ加入していてもNOCやタイヤなどが別扱いになる場合があります。補償内容や事故時の手続きはレンタカー会社ごとに異なるため、正確な情報は利用しているレンタカー会社の公式サイトや貸渡約款をご確認ください。
傷の修理代などを請求され、レンタカー会社へ確認しても解決できない場合は、契約書や写真、請求内容を整理したうえで、消費生活センターなどの相談窓口を利用する方法もあります。




