ETC1.0は2030年になると使えなくなるのでしょうか。結論からいうと、従来型ETCが一律に使えなくなるわけではありません。将来の規格変更で対象になるのは、旧セキュリティ規格の車載器です。
ETC総合情報ポータルによると、規格変更の具体的な時期は未定です。問題が起きなければ最長2030年頃までという予定ですが、前倒しされる可能性もあります。
大切なのは、今の車載器がETCかETC2.0かではなく、新セキュリティに対応しているかを調べることです。19桁の車載器管理番号やマーク、品番から判断する方法を紹介します。
この記事で分かること
- ETC1.0はいつまで使えるのか、2030年問題の正確な意味
- 新旧セキュリティ規格を管理番号・識別マーク・型番で調べる方法
- 古い車載器を交換すべき場合と、新規格対応の製品例
- 2026年の車載器購入助成が買い替えに適用されるか
ETC1.0はいつまで使える?2030年問題と新セキュリティの見分け方
まず使用期限について確認し、自分の車載器が規格変更の対象かを調べましょう。ETC1.0という呼び方だけでは、新旧セキュリティの判定はできません。
2030年にすべてのETC車載器が使えなくなるわけではない

ETC総合情報ポータルは、現在使用されている一部の車載器が、最長2030年頃までに使えなくなると案内しています。対象は旧セキュリティ規格に対応した車載器です。
新しいセキュリティ規格へ切り替わった後、旧規格の車載器はそのまま使い続けられません。一方、新セキュリティ対応の車載器は、予定される規格変更を理由に交換する必要はありません。
「2030年が確定した使用終了日」という説明は正確ではありません。公式は変更時期を未定とし、旧規格に問題が生じた場合は早まる可能性があると説明しています。
セキュリティ規格が変わる理由は、車両情報や課金情報を扱う無線通信の安全性を将来にわたって守るためです。現行規格で問題が発生したことを理由とする変更ではありません。
出典はETC総合情報ポータル「セキュリティ規格の変更」です。変更日が発表されれば判断が変わるため、購入・交換時にも最新案内を確認しましょう。
ETC1.0・ETC2.0と新旧セキュリティ規格は別の区分

「ETC1.0」は一般に従来型のETCを指す呼び方です。それに対してETC2.0は、料金決済に加えて道路交通情報などのサービスに対応する車載器の区分を指します。
新旧セキュリティは、こうした機能の種類とは別の分類です。通常のETCにも新規格対応製品があり、ETC2.0にも旧規格製品があります。
| 車載器の種類 | 新セキュリティ | 旧セキュリティ |
|---|---|---|
| 従来型ETC(ETC1.0) | 対応製品がある | 規格変更後は利用不可となる |
| ETC2.0 | 対応製品がある | 規格変更後は利用不可となる |
つまり、ETC2.0への買い替えが必須なのではなく、新セキュリティ対応の車載器が必要ということです。車載器の見た目や「2.0」の文字だけで安心しないようにしましょう。
ETC公式の新セキュリティ規格についてのFAQも、車載器のサービス区分とセキュリティ区分が別だと説明しています。
機能や割引まで比較したい場合は、ETCとETC2.0の違い・メリット・見分け方を参考にしてください。ここでは使用期限の判定に話を絞ります。
車載器管理番号19桁の先頭が「1」なら新規格、「0」なら旧規格

自分の車載器が対象か調べるとき、まず確認したいのは19桁のETC車載器管理番号です。ETC公式は番号の最初の数字による判別方法を案内しています。
| 19桁の管理番号の先頭 | セキュリティ規格 | 判断 |
|---|---|---|
| 「1」から始まる | 新セキュリティ | 今回の規格変更を理由とする交換は原則不要 |
| 「0」から始まる | 旧セキュリティ | 規格変更までに対応車載器への交換を検討 |
数字を確認する場所として、セットアップ証明書やセットアップ申込書が挙げられます。購入時の書類が残っていれば、まず車検証の保管場所などを確認するとよいでしょう。
- 車を安全な場所に駐車し、運転中の操作を避ける
- セットアップ証明書などで「車載器管理番号」を探す
- 19桁の番号であることを確認し、先頭が「1」か「0」かを見る
- 判断できなければ、次のマーク・品番の確認に進む
車載器の音声案内や、連動するカーナビ画面から番号を確認できる機種もあります。ただし操作方法は機種別で異なるため、取扱説明書に従ってください。
確認の根拠はETC公式「私の車載器は大丈夫?」です。車載器管理番号を、型式登録番号や車のナンバープレート番号と混同しないことも重要です。
書類が見つからない場合は、ETC車載器管理番号19桁の調べ方に、書類・本体・音声案内・ナビごとの探し方をまとめています。
識別マークや品番から新セキュリティ対応か確認する

管理番号が分からないときは、本体の識別マークや品番を確認する方法があります。公式が案内しているマークの見分け方は、通常ETCとETC2.0で異なります。
| 確認する表示 | 公式の判別目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 通常ETCの「●●●」マーク | 新セキュリティ対応 | マークのない機種もある |
| ETC2.0ロゴと「■」マーク | ■があれば旧セキュリティ | ETC2.0ロゴの有無だけでは判定しない |
| ETC2.0ロゴがあり「■」がない | 公式が案内する新規格の識別例 | 表示の確認が難しい場合は品番で照合 |
| 製品の品番 | メーカー公式の対応一覧と照合 | 末尾の英数字まで正確に確認する |
マークや品番の場所は機種によって違い、識別マークが印字されていない型式もあります。「マークが見えない=旧規格」とは判断できません。
公式の識別図はETC総合情報ポータルの識別マーク・品番の説明で確認できます。実物と照らし合わせ、判断が曖昧ならメーカーの型番別一覧を見ましょう。
たとえばパナソニックは、型式登録番号・セキュリティ規格・スプリアス規格の一覧を公開しています。同じメーカーのETC2.0製品でも新旧が分かれています。
本体が見えない・番号が分からないときは購入店やセットアップ店へ
ビルトイン型などで本体が見えない場合は、無理に引き出す必要はありません。車載器や内装、配線を取り外して確認すると、故障や取り付け状態の不具合につながるおそれがあります。
- 手元にあるセットアップ証明書、車載器・車の取扱説明書を調べる
- 停車中に説明書の方法で音声案内または連動ナビの情報を確認する
- 車載器の品番が分かればメーカー公式の規格一覧で照合する
- 確認できなければ購入した販売店やセットアップ店に相談する
純正装着品や中古車で購入先が分からない場合は、車両販売店に確認を依頼する方法もあります。問い合わせ時は車種や分かる範囲の型番を伝え、個人の管理番号をSNSに公開しないでください。
ETC総合情報ポータルも、新旧の規格を確認できない場合は購入店またはセットアップ店へ相談するよう案内しています。公式の確認方法と相談先を利用しましょう。
古いETC車載器の交換判断と2030年問題の補助金・費用
自分の車載器が旧セキュリティ規格だった場合の判断方法を整理します。交換時には対応機種の選択だけでなく、取り付け・セットアップ・助成条件を確認することが大切です。
旧規格のETCは今すぐ交換が必要?状況別に判断する
旧セキュリティ規格の車載器は、将来の規格変更後には使用できなくなるため、交換計画が必要です。ただし、変更日は未定であり、2026年10月時点で一律に使用停止となったわけではありません。
| 確認できた状態 | 規格変更への対応 | 今すること |
|---|---|---|
| 新セキュリティ対応 | 規格変更を理由とした交換は不要 | カード期限と通常の動作確認を続ける |
| 旧セキュリティ対応 | 変更時期までの交換を検討 | 規格変更情報を確認し、適合機種・工賃を調べる |
| 新旧不明 | 判断を保留 | 19桁番号・品番・販売店で確認する |
| カードを認識しない・車載器が故障している | 規格変更とは別に対応が必要 | 機種の取扱説明書と店舗の案内で安全に点検する |
「現在通行できるから新セキュリティ対応」という推測はできません。逆に、車載器の製造年が古いという理由だけで、旧規格と決めつけることも避けましょう。
カードの認識エラーなどがある場合は、規格変更の時期とは切り離して対応してください。通行できるか不明な状態でETC専用レーンに進まず、道路会社の案内に従うことが大切です。
次の車検や整備の機会に品番と交換費用を確認しておくと、交換が必要か判断しやすくなります。ただし正式な変更時期が公表された場合は、その案内を優先してください。
買い替え先は通常ETCでもよい?新セキュリティ対応製品を比較

新セキュリティ対応にするために、必ずETC2.0を選ぶ必要はありません。料金支払いが主目的なら、新規格に対応した通常ETCも候補になります。
具体例として、メーカーがセキュリティ区分を公開しているパナソニックの四輪車向け製品を、同じ項目で比較しました。どの製品も車種適合と施工条件の確認が必要です。
| 製品・メーカー | 種類 | セキュリティ | 電源・主な特徴 | 販売・購入上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック CY-ET926D |
通常ETC | 新規格対応 | DC12V/24V、アンテナ分離型、音声案内 | メーカー希望小売価格はオープン。工賃・部材・適合は別確認 |
| パナソニック CY-ET2620GD |
ETC2.0 | 新規格対応 | DC12V/24V、GPS付発話型、ナビ接続不要 | メーカー希望小売価格はオープン。カーナビ連動は不可 |
| パナソニック CY-ET2600GD |
ETC2.0 | 旧規格 | メーカーの規格一覧で旧規格と表示 | 生産終了品。新規格対応の交換候補にはしない |
新旧の判定はパナソニック公式の型番別規格一覧を確認しました。旧規格のETC2.0製品が存在する点にも注目してください。
機能の詳細はCY-ET926D公式製品ページとCY-ET2620GD公式製品ページに掲載されています。いずれも四輪車専用品です。
上の表は「旧規格から交換する場合の判断例」であり、最新価格ランキングではありません。実売価格・在庫・付属品・個別車種への適合は、販売店で購入前に確認してください。
ETC2.0の追加機能や対応ナビが必要かは、ETCとETC2.0の違いを比較した記事で詳しく確認できます。セキュリティ対応だけを目的に高機能機種を選ぶ必要はありません。
旧型から交換する手順と、本体・取り付け・セットアップの費用

交換が必要と分かったら、先に車に合う新セキュリティ対応機種を確認し、店舗で取り付けとセットアップを依頼する流れが基本です。
- 現在の車載器の品番を確認し、旧セキュリティ規格か確定する
- 通常ETCかETC2.0かを選び、メーカーの対応規格と車両への適合を確認する
- 販売・施工店に本体、取り外し、取付、セットアップ、必要部材の総額を見積もってもらう
- 店の案内に沿って必要な書類を用意し、取付と登録店によるセットアップを依頼する
- 引き渡し時に新機種のセットアップ情報とETCカードの認識を確認する
費用は本体価格だけでは決まりません。古い車載器の取り外し、アンテナや取付部材、施工費、車両情報のセットアップ料金が別になる場合があります。
取り付けとセットアップは別の作業です。車載器に車両情報と通信に必要な情報を登録するセットアップは、ETC公式が定めるセットアップ登録店で行います。
根拠はETC総合情報ポータル「セットアップ」です。個人が車載器に登録情報を書き込むことはできません。
交換時に配線の改造やメーカー指定外の簡易給電を自己判断で行わず、メーカー指定の取付条件と店舗の案内を優先してください。料金所の通行前にはカードが正常に認識されているか確認します。
車載器の使用上の注意はETC総合情報ポータルの車載器FAQでも確認できます。
セットアップの手続きや必要書類は、ETCセットアップの料金・必要書類・依頼方法で確認できます。ここでは旧型交換に必要な順序のみを整理しています。
2030年問題で補助金は出る?2026年の車載器購入助成を確認

「古いETCが使えなくなるから交換に補助金が使える」と考える方もいるでしょう。しかし、2026年に高速道路会社が公表した車載器購入助成は、旧機種からの買い替えを対象とした制度ではありません。
以下は2026年10月15日に公式ページで確認した公表条件で、現在の受付実施を保証するものではありません。終了状況や残台数、店舗ごとの受付状況は別途確認が必要です。
対象の中心は新セキュリティ対応車載器の新規取り付けです。ETCやETC2.0をすでに装着した車の買い替えは、対象外と明記されています。
| 利用するケース | 2026年の公表助成の扱い | 確認点 |
|---|---|---|
| 車載器のない車へ新たに取り付け | 条件を満たせば助成対象になり得る | 対象地域・車両・店舗・期間・台数・申請順序 |
| 旧セキュリティ車載器から新規格へ買い替え | 公表キャンペーンでは対象外 | 交換費用は店舗の見積もりで確認 |
| 四輪車の新車購入時に新規設置 | 公表キャンペーンでは対象外 | 初度登録・検査年月と対象条件 |
| 二輪車の新車購入時に新規設置 | 公表キャンペーンでは対象となる場合がある | 地域・車載器・取扱店の条件 |
NEXCO中日本の甲信・東海・北陸エリア向け発表では、2026年7月8日から助成台数に達するまで、最長2026年10月30日までと案内されています。対象は9県の取扱店での新規設置で、最大1万円です。
ただし、助成台数に達すれば期日より早く終了する条件です。2026年10月15日の公式掲載内容の確認だけでは、受付継続・残台数・個別店の受付状況まで保証できません。
出典はNEXCO中日本の2026年6月15日発表と対象地域・対象条件を示す公式キャンペーンサイトです。
また、NEXCO東日本の発表やNEXCO西日本エリアの助成案内でも、買い替え対象外の条件を確認できます。対象地域や期間などの細部は同じとは限りません。
この助成制度は「2030年問題に備えるすべての交換費用を補助する制度」ではありません。新規取り付けでも、申込み前に対象店へ確認し、購入後の申請が認められない条件に注意してください。
よくある質問|ETCカード・再セットアップ・別の規格変更
最後に、古い機種が使えなくなるという話と混同しやすい項目を整理します。車載器のセキュリティ規格と、カード・登録情報・電波の規格は分けて考えましょう。
ETCの本体が使えなくなると、ETCカードも買い替えが必要ですか?
今回の規格変更で交換対象として案内されているのは旧セキュリティ規格の車載器です。ETC公式は、ETC2.0を利用する際にも新しいETCカードを用意する必要はないと説明しています。
ただし、ETCカード自体の有効期限や契約・利用条件は車載器の規格とは別です。期限切れやカードの読み取り不良を防ぐため、カード発行元の案内も確認してください。
参照はETC公式「ETCカードについて」です。
古い車載器は再セットアップすれば新セキュリティに対応しますか?
再セットアップは、車のナンバーや車両情報などを登録し直す手続きです。車載器がもともと対応していないセキュリティ規格に、再登録だけで変えられるというものではありません。
旧規格機種だった場合は、新セキュリティに対応した車載器への交換を検討してください。車両変更時の登録条件はETC公式「車載器再セットアップ」で確認できます。
「2022年問題」「新スプリアス規格」と2030年問題は同じですか?
同じではありません。旧スプリアス規格は電波の不要な発射に関する規格で、ここで説明している情報保護の新旧セキュリティ規格とは別です。
ETC公式FAQでは、旧スプリアス規格の使用期限について、2022年11月30日から当分の間延長されたと説明しています。2030年のセキュリティ規格変更予定と混同しないようにしましょう。
参照はETC総合情報ポータル「新スプリアス規格とセキュリティ規格の違い」です。今後の期限変更は公式の最新情報で確認してください。
古いETC2.0や中古車の車載器も使えなくなりますか?
ETC2.0や中古車に付いている機種でも、旧セキュリティ規格なら将来の変更対象です。一方、購入年や中古車という条件だけで使用終了が決まるわけではありません。
型番・管理番号を確認し、必要なら車両販売店やセットアップ登録店に相談してください。セキュリティ対応と車両情報の登録状態は別々に確認しましょう。
まとめ|ETCの使用期限と買い替え判断で確認する15項目
- ETC1.0が2030年に一律に使えなくなるわけではない
- 将来使用できなくなるのは旧セキュリティ規格の車載器
- 規格変更の具体的な実施時期は未定
- 変更時期の目安は最長2030年頃だが早まる可能性もある
- 新セキュリティ対応車載器は今回の規格変更に備えられる
- 通常ETCとETC2.0の区分はセキュリティ規格とは別
- ETC2.0でも旧セキュリティの機種が存在する
- 19桁の車載器管理番号が1から始まれば新規格
- 19桁の車載器管理番号が0から始まれば旧規格
- 識別マークが見えない場合は品番でメーカー公式情報を照合する
- 車載器を無理に取り外さず書類や音声案内から確認する
- 新セキュリティ対応なら通常ETCも買い替え先の候補になる
- 交換費用は本体・取り外し・取付・セットアップを含めて比較する
- 2026年の公表車載器購入助成は旧型からの買い替えが対象外
- 変更時期や助成の条件は公式情報を確認して判断する

