車で飲み物や食品を冷たく保ちたいなら、短時間の保冷には電源不要のクーラーボックス、車中泊などで冷却を続けたいなら電源を確保できる車載冷蔵庫が候補になります。車載冷蔵庫を選ぶ際は、容量だけでなく、シガーソケットの対応条件、停車中の電源、バッテリーの付属品を確かめることが大切です。
また、車載冷蔵庫にはマキタやアイリスオーヤマ、澤藤電機のENGELなどがありますが、日本メーカーの製品でも、日本国内で製造されたとは限りません。例えばENGEL MT17Fは、澤藤電機の公式ショップで生産国が「タイ」と表示されています。メーカーの公式仕様をもとに、買う前に確認したい点を整理します。
この記事で分かること
- 車用クーラーボックスと電動の車載冷蔵庫の違い
- シガーソケット・バッテリー・車中泊での選び方
- 7L・9L・15L・20Lの実在モデルと付属品の比較
- 日本製の確かめ方と購入前のチェック項目
車用クーラーボックスと車載冷蔵庫の選び方

最初に「何を、どれくらいの時間、どの電源で冷やしたいか」を決めると、必要な製品を絞れます。
保冷バッグと電動冷蔵庫は用途で選ぶ
電源不要のクーラーボックスは断熱材や保冷剤で冷たさを保つ道具です。電動の車載冷蔵庫は、対応する電源が供給されている間に庫内を冷やします。保冷剤なしで冷却し続ける仕組みではないソフトクーラーを、冷蔵庫と同じように考えないことがポイントです。
| 使う場面 | 候補 | 選ぶ理由・確認点 |
|---|---|---|
| 日帰りドライブで冷えた飲み物を持参 | 保冷バッグ・クーラーボックス | 電源不要。保冷剤の準備と必要な保冷時間を確認する |
| 走行中に飲み物を冷やしたい | 電動の車載冷蔵庫 | 車の出力ソケットと製品の入力仕様が合うことが条件 |
| エンジンを止めて休憩・車中泊 | 対応バッテリー付き冷蔵庫など | 始動用バッテリーに頼らず使える電源と使用可能時間を確認する |
| 要冷蔵の食品を運ぶ | 温度を管理できる方法 | 製品の設定温度だけでなく食品の保存表示と実際の温度が重要 |
車で電源を取らずに使う場合は、荷物が軽く、冷えたものを短時間運ぶ用途なら保冷バッグが実用的です。長時間の移動・停車時には、電動型でも電源と温度維持の条件を満たす必要があります。
7〜9Lと15〜20Lは容量より設置寸法も確認

小型を探すならマキタCW003Gの7L、BougeRV CRHの9Lが比較候補です。もう少し入れたい場合は、アイリスオーヤマの15L・20LモデルやENGELの15Lモデルが候補になります。ただし、庫内容量が小さくても、本体が同じ比率で小さいとは限りません。
例えばアイリスオーヤマの15L「IPD-B2A-W」の外形寸法は幅598×奥行320×高さ260mm、20L「IPD-2B-W」は幅600×奥行320×高さ320mmです。容量差だけでなく、高さも異なります。(参照:アイリスオーヤマ15L公式仕様) (参照:アイリスオーヤマ20L公式仕様)
設置前には、置きたい場所の幅・奥行き・高さに加えて、フタを開ける空間、吸排気口をふさがない余裕、走行時の転倒防止、乗員の足元やシートベルトへの干渉を確認してください。大きな庫内でも、入れたい容器の形状が合うとは限りません。車内の測り方を考える際は、車の収納幅にも使えるメジャーの選び方も参考になります。
シガーソケットで使う前の確認手順

「DC12V/24V対応」と書かれた車載冷蔵庫でも、すべての車のシガーソケットにそのまま接続できるわけではありません。車側の電圧・最大出力と、冷蔵庫側の入力・コード条件を別々に確認します。
- 車両の取扱説明書でアクセサリーソケットの対応電圧、使用可能な電力、通電する条件を確認する
- 冷蔵庫の型番と取扱説明書でDC入力、必要な電力、付属のシガーソケット用コードを確認する
- コードを無理に延ばさず、運転操作・乗り降りの妨げにならない場所に設置する
- 安全な場所に停車して試運転し、電源が落ちる、異臭がする、プラグが異常に熱くなる場合は使用を中止する
マキタCW003Gの取扱説明書にも、メーカー指定の電源コードを使い、運転中には機器を操作しないよう記載されています。(参照:マキタCW003G取扱説明書「主要機能・安全上のご注意」)
24V車やENGEL製品は特に接続方式を確認してください。澤藤電機のENGEL公式Q&Aでは、一部モデルのDC24Vシガーソケット利用が不可とされ、AC電源・ポータブル電源で使う場合には定格出力200W以上などのメーカー条件も示されています。
これはENGELについての説明で、他社製品に一律適用する数値ではありません。直接配線などの改造は自己判断で行わず、製品・車両の取扱説明書と専門業者に確認してください。(参照:澤藤電機 ENGEL冷蔵庫Q&A「電源関係」)
バッテリー付きでも車中泊中に使える時間は別に確認

「バッテリー対応」は付属品の意味が一定ではありません。買うときは次の違いを見分けましょう。
- バッテリー同梱:アイリスオーヤマIPD-B2A-Wは公式の付属品にバッテリーが含まれます
- 販売セットで選択:BougeRV CRH 9Lは公式購入ページに「本体のみ」「バッテリー付き」の選択肢があります
- 対応バッテリー別売:マキタCW003Gはバッテリーと充電器が別売りです
- 外部電源を利用:対応するポータブル電源からの供給を考える場合は、冷蔵庫の起動条件と電源側の定格出力・端子・使用温度を双方確認します
バッテリー容量を表すmAhやWhだけで「必ず何時間使える」とは判断できません。設定温度、周囲温度、電源の変換損失、起動時の電力などで条件が変わります。
就寝中の連続利用を想定するなら、購入前にメーカーが示す対応電池と使用条件を確認してください。寝具などで吸排気口をふさぐ置き方や、熱がこもる場所への設置も避けてください。
エンジン停止中に車両の始動用バッテリーから長時間給電すると、次の始動に支障が出るおそれがあります。JAFのバッテリー上がりに関する解説も参照してください。車内用電源全体の話は、車中泊で使った充電器とポータブル電源の記事にまとめられています。
蓄電池式ポータブル電源は高温・強い衝撃を避け、異常な発熱や変形があれば使用を中止します。また、ガソリンなどで動く携帯発電機を車内やテント内で運転してはいけません。一酸化炭素中毒の危険があります。(参照:消費者庁「携帯発電機やポータブル電源の事故に注意」2024年8月27日)
食品を入れるなら設定温度と実際の温度を混同しない

車載冷蔵庫の「−20℃まで設定可能」は、炎天下の車内でも食品が常に−20℃になる保証ではありません。アイリスオーヤマIPD-B2A-Wの使用場所の推奨温度は10〜35℃、IPD-2B-Wは10〜32℃です。メーカーが想定する周囲温度を外れる状況では、表示された設定温度だけを頼りにしないでください。
厚生労働省の「家庭での食中毒予防」では、家庭用冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下を維持することを目安としています。これは家庭での管理目安であり、車載冷蔵庫の性能保証や食品ごとの保存条件の代わりにはなりません。
食品の保存表示を確認し、必要に応じて庫内温度を測り、冷却が維持できない場合は安全な保存場所へ移してください。(参照:厚生労働省「家庭での食中毒予防」)
車載冷蔵庫・クーラーボックスのおすすめ候補を比較

ここからはメーカー公式で確認できた実在モデルを、容量・外形・電源・電池付属の同じ観点で比較します。「おすすめ」は使用目的別の候補という意味で、冷却性能や価格の独自ランキングではありません。
公式仕様で比較する6つのモデル
以下は2026年10月23日に確認したメーカー公表仕様です。製造国、店舗ごとの在庫、実売価格、同一条件での冷却性能は比較できる資料がないため、順位を付けていません。購入前には販売ページで最新の仕様・付属品を再確認してください。
| メーカー・モデル | 容量 | 外形寸法・重量 | 電源・電池の状態 | 選ぶ際の注意 | 製造国(確認状態) |
|---|---|---|---|---|---|
| サーモス RFD-0151(ソフトクーラー) | 約15L | 幅25×奥行19×高さ34cm/約0.4kg | 電源不要。保冷剤などを併用 | 電動冷却はできない | 公式仕様で未確認 |
| BougeRV CRH 9L | 9L | 約幅39.5×奥行23.6×高さ44.9cm/約7.8kg(販売セット別の重量条件は要確認) | DC12/24V・ACアダプター/本体のみ・電池付きの販売選択あり | 「バッテリー付き」を選んだか確認 | 公式仕様で未確認 |
| マキタ CW003G(公式取扱説明書) | 7L | 長さ456×幅245×高さ308mm(ハンドル含まず)/重量は装着電池により変動 | 対応18V・40Vmax電池、DC12〜24V、AC100V/電池・充電器別売 | 所有する電池の互換性と総額に注意。取説で確認 | 公式資料で未確認 |
| アイリスオーヤマ IPD-B2A-W | 約15L | 598×320×260mm/約10kg(電池含む) | DC12/24V・AC100V/15,600mAh電池同梱 | 使用場所の推奨温度10〜35℃ | 公式仕様で未確認 |
| アイリスオーヤマ IPD-2B-W | 約20L | 600×320×320mm/約10kg | DC12/24V・AC100V/公式付属品欄に電池の記載なし | 使用場所の推奨温度10〜32℃ | 公式仕様で未確認 |
| 澤藤電機 ENGEL MT17F(メーカー公式ショップ) | 15L | 幅549×奥行307×高さ364mm/16kg(公式ショップ表示) | AC/DCの利用条件は型式ごとに要確認。電池同梱は確認できず | 車側の24V端子や外部電源の例外がある | タイ(澤藤電機の公式販売店表示) |
製造国欄の「未確認」は日本製という意味ではありません。ENGEL MT17Fの「タイ」は澤藤電機運営の公式ショップ表示に基づきます。(参照:公式ショップのMT17F商品仕様)
表にある温度・サイズはメーカーが各モデルに示す仕様であり、実際の車内環境で同じ結果になると確認したものではありません。メーカー公表の「設定できる温度」と「食品をその温度で安全に保管できること」は区別して選びましょう。
小型の7L・9LはマキタとBougeRVを比較
小型重視なら、7Lのマキタ CW003Gと9LのBougeRV CRH 9Lが候補です。マキタは40Vmax・18Vの対応バッテリーを利用でき、冷却だけでなく保温にも対応します。ただし、バッテリーと充電器は別売りなので、すでに持っている電池を使えるか、購入し直す必要があるかで費用が変わります。(参照:マキタCW003G公式取扱説明書)
BougeRV CRH 9Lは公式に−20〜20℃の設定範囲を案内していますが、購入画面には「本体のみ」と「バッテリー付き」の別の選択肢があります。商品説明の「バッテリー内蔵・付属」という表現だけで注文内容を判断せず、カートに入れる前に選択したセットを見直してください。(参照:BougeRV CRH 9L公式販売ページ)
どちらも「小型」の一言で決めず、置き場所と必要な電池・充電器の総額を比べるのが失敗を避ける方法です。マキタCW003Gの購入総額は、必要なバッテリー・充電器があるかによって変わります。
希望小売価格をそのまま実売価格として扱わず、購入時点の本体価格と追加品を確認してください。公式取扱説明書には外形寸法や対応バッテリーの確認箇所もあります。
15〜20LならアイリスオーヤマとENGELが候補
アイリスオーヤマ IPD-B2A-W(15L)は、バッテリーを付属品として掲載しているモデルです。停車中に車以外の電源を使いたい人は、電池の付属と対応時間を購入前に確認すると選びやすくなります。
IPD-2B-W(20L)は容量が増えますが、公式の付属品欄にバッテリーの記載はありません。両機種を「同じアイリス製だから電池付き」とまとめて扱わないでください。
澤藤電機のENGEL MT17F(正式型式MT17F-D1)は15Lです。メーカーQ&Aには500mLペットボトル11本という収納の参考値が掲載されています。また、澤藤電機が運営する楽天市場の公式ショップは、MT17Fの生産国を「タイ」と表示しています。
一方、接続できる端子や必要な電源には型式ごとの条件があります。とくに車載コンセント・ポータブル電源で使う場合は、メーカーQ&Aの条件を確認してください。(参照:澤藤電機公式ショップ・MT17Fの商品仕様と製造国表示)(参照:澤藤電機 ENGEL公式Q&A)
電源不要ならサーモスのソフトクーラーも比較
冷たい飲み物やお土産を運ぶために必ずしも電動冷蔵庫は必要ありません。サーモス RFD-0151は約15L、約0.4kgのソフトクーラーです。電源コードや充電池を準備しなくてよい反面、自分で冷却する機能はなく、保冷剤やあらかじめ冷やした食品との組み合わせが前提です。(参照:サーモスRFD-0151公式仕様)
気軽な日帰り移動で保冷バッグを使いたい場合は、100均保冷バッグを使った旅行のお土産の持ち帰り方も参考になります。保冷剤を使っても食品の安全な保存温度が保証されるわけではありません。
日本製の見分け方と購入前の最終チェック

「車載冷蔵庫 日本製」で探す場合は、日本に本社のあるメーカー、日本で販売する国内モデル、日本国内で製造された製品を分けて考えましょう。ENGELの欧州向け販売主体はブランドの説明として「Made in Japan」と記載しています。
しかし、澤藤電機が運営する楽天市場の公式ショップは、ENGEL MT17Fの生産国を「タイ」と明記しています。ブランド全体の案内を、日本向けの個別型番にそのまま当てはめてはいけません。
マキタCW003Gとアイリスオーヤマの今回の比較型番については、個々の製造国を裏付ける公式表示を取得できなかったため、日本製とは断定していません。(参照:ENGEL by HOECO「About ENGEL Products」) (参照:澤藤電機公式ショップ「MT17F 生産国」)
日本製を優先する場合は、メーカー・販売店に希望する型番と製造国表示を伝え、商品ラベルや公式回答で確認してください。「国内正規品」「日本メーカー」は製造国を示す表示とは限りません。
購入前のチェックリスト
- 用途は短時間の保冷か、電気による連続冷却か
- 容量だけでなく外形寸法・フタの開閉・放熱スペースは合うか
- 車のアクセサリーソケットの電圧と定格出力は合うか
- バッテリーが同梱・セット選択・別売りのどれか
- 停車中に使う電源と、必要な電池・充電器を含めた総額は適切か
- 製造国・保証・販売店の在庫を型番単位で確認したか
ヤマダデンキで車用冷蔵庫を探す場合も、まずメーカー名と型番を控えて公式通販や店舗へ確認すると取り違えを減らせます。店舗別の取扱商品や在庫は変動するため、今回の比較機種をヤマダデンキの全店舗で買えるとは断定できません。
まとめ|使う時間と電源から車用冷蔵庫を選ぶ
- 日帰りで冷たいものを運ぶだけなら電源不要の保冷バッグも候補になる
- 車中泊で冷却を続けたいなら停車中の電源確保が必要になる
- 7〜9Lの小型でも外形寸法やフタの開閉スペースを確認する
- バッテリー対応とバッテリー付属は同じ意味ではない
- シガーソケットは車側と製品側の電圧・出力・接続方法を照合する
- 食品は設定温度だけで判断せず保存条件と実際の温度を確認する
- 日本メーカーと日本製は別であり、ENGEL MT17Fは公式ショップでタイ製と表示されている
- 最終的な購入価格は本体・電池・充電器など必要品の合計で比較する

